【書評】三浦観樹回想記

三浦観樹回想記・最終

高杉晋作のこと 高杉という人はまったく偉人であった。乃公がこれまで偉い人だと思ったのは、高杉一人だけだ。長州で門閥を打破し人材の抜擢に努めたのも高杉だ。伊藤、井上、山縣、品川、鳥尾、それに乃公と、皆高杉に抜擢された。乃公などは高杉から随分可…

続々・三浦観樹回想記

原敬のこと およそ英雄豪傑が指弾されるのは女と金のことだ。ところが原はこの点が非常に綺麗であった。二個師団問題で西園寺内閣が倒れ、政友会も大きく議席を失ったが、乃公は、 「君には前に随分家付き小舅が多いようだといったことがあるが、これが掃除…

続・三浦観樹回想記

鳥尾の変節 貴族院議員のとき、当時司法大臣だった山田顕義が仏人のボアナソードを顧問にして、法改正を断行しようとした。ところが鳥尾小弥太はこれに大反対だという。議員を糾合し反対意見を滔々と述べ、どうか明日の議会でも自分に賛成してほしいという。…

三浦観樹将軍の回想記

三浦梧楼『明治反骨中将一代記』芙蓉書房久々のヒットなので、摘要してみる。 脱隊騒擾余談 乃公は北越戦争の後、暫く国元にいた。そのときの話である。乃公は隊長だったが、隊長の給料は兵隊と同じで月30匁であった。ところがある日、山口に出張すると、出…