日本の近代史に詳しい現代史家の秦郁彦さんの話

論文は子引き・孫引きのつぎはぎで、事実誤認だらけだ。私の著書「盧溝橋事件の研究」も引用元として紹介されているが、引用された部分は私の著書を引くまでもなく明らかなデータだけ。私が明らかにした事件の1発目の銃弾は(旧日本軍の)第29軍の兵士が撃ったという見解には触れもせず、「事件は中国共産党の謀略だ」などと書かれると、まるで私がそう主張しているかのように誤解される。非常に不愉快だ。

強調部は意味不明。29軍は宋哲元。あとで訂正記事が要るんじゃないか、朝日新聞
まあそれはさておき、最近こういうが人多い。先にやめた中山さんとか。「そんなやつおらんやろぉ」と大木こだまでなくても言いたくなるようなことを平気で言う人。
http://www.asahi.com/politics/update/1031/TKY200810310298.html

 航空自衛隊トップの田母神(たもがみ)俊雄・航空幕僚長(60)が「我が国が侵略国家だったというのはぬれぎぬ」と主張する論文を書き、民間企業が主催した懸賞論文に応募していたことがわかった。旧満州朝鮮半島の植民地化や第2次大戦での日本の役割を一貫して正当化し、集団的自衛権の行使を禁じる現行憲法に疑問を呈している。政府見解を否定する内容で、浜田防衛相は31日、田母神氏の更迭を決めた。

論文の題は「日本は侵略国家であったのか」。ホテルチェーンなどを展開するアパグループが主催する第1回「真の近現代史観」懸賞論文の最優秀賞(賞金300万円)に選ばれた。同社は31日、ホームページで論文を公表。防衛省詰の報道各社に報道発表文を配布したことから、投稿の事実が明らかになった。

via「トンデモ空幕長」爆発! : 世界の片隅でニュースを読む

主催者がアパで、審査委員長が渡部昇一

素晴らしいそろい踏み。

野中英次課長バカ一代』)
それにしてもこんなもんで三百万か。三百万円くれたらもう少し気の利いたもの書いたげるのに。

追記

佐藤賢了というと、有名なのは総動員法のときの「黙れ」事件か、ガダルカナルのときの田中新一との殴り合いだけど、彼が大本営報道部長を更迭される原因となったのは、株式の配当制限に関する報道部長談にあった。これはどういうことかというと、蔵相の池田成彬が「配当制限は行わない」という談話を出したことに対抗して、佐藤が東條次官の許可を得て「陸軍は配当制限を希望する」という談話を出した。佐藤の発言を受けて株価は大暴落し、参謀本部からも佐藤を追い出せという声が上がった。財界では佐藤を「蒋介石の参謀長」と呼ぶ人もいたとか。というわけで佐藤は浜松の飛行学校に左遷となった、と無反省さの際立つ回顧録で本人が書いている。
同時期に親玉の東條も失言をしている。東條は軍人会館で「北方においてはソ連と、南方においては英米と対決するの要あるを覚悟すべきである」という大見得を切り、次官を更迭された。しかし彼はこのとき、次官の身分を盾に取り、政敵の多田参謀次長を巻き添えにしている。