湖南戦記

小平喜一著 光人社NF文庫
休日出勤のお供にと何気に買った一冊。副題は知られざる日中戦争インパール戦。支那戦線最大の敗戦である芷江(シコウ)作戦を描いた書。著者は独混第81旅団の下士官だった。
支那における我が軍は連戦連勝であったわけではない。例えば若林東一のデビュー戦となる良口会戦なんかも、負け戦である。しかし芷江ほどはっきりとした大敗は無い。
以下は、専田盛寿81Bs長に関する話。
”すでに五十の坂を越えた新旅団長は、前任者に輪をかけた、特権意識過剰の我利々々亡者であった。
着任して半月も経たぬうちに、夜伽の女が欲しいと言い出した。
旅団長閣下の欲しいということは即、命令であった。
忠義面した副官は早速、治安維持会に命令して女を準備させた。
人身御供となったのは十六歳にも満たぬ花も蕾の姑娘であった。
そして「おれはサックなんか使うのは嫌いだから病気の有無をよく調べろ」と命じた。”
専田は北支事変拡大に邁進した性質の悪い支那通の代表格だが、品行の方も最低でワロタ。神様みたいなのがいる一方でこういう下種い人間も少なくないのが、我が帝國陸軍であった。