ラストサムライを見ながら

ラスト侍は映画館で見た。多分4回は見たと思う。一つの映画を見た回数としては私の中では最多タイだろう。DVDも持ってるが、これは一回も見てない。何というか映画も音楽も結局めぐりあい宇宙ですね。そのときの環境、心境次第で、同じものでも全く受け取り方が変わる。しかし吹き替えに強い違和感を感じるのは、やはり字幕で見過ぎたせいかな?

ところでケン・ワタナベはこの度栗林中将を演じているわけだが、私としては、前から彼に演じて欲しい帝國軍人がいる。本間雅晴だ。謙さんには凛然とした武人らしい武人もいいが、本間のような弱さの見える役も合うと思う。彼ぐらい物語映えするプロフィールの持ち主はちょっといないのではないか。顔を見なければ日本人とは分からないとまで云われた英語力、バターンのデスマーチと、ハリウッドで取り上げてもおかしくない要素が揃ってる。クライマックスはもちろんマニラ法廷における夫人の証言シーンだ。
妻がマニラに来た事は非常な手柄であつた。妻に接触するものを通じて本間並本間の家庭が明になつた。証人台に立つて「今尚本間雅晴の妻たるを誇りとする、娘も亦本間の様な人に嫁せしめたい」との証言は満廷を感動せしめ何人の証言よりも強かつた。キング少将の副官も、検事のリムも感動したそうだ。

本間の遺言

本間の母は文字が書けなかった。しかし本間が軍人となり離れて暮らすようになってから、文字を習い、仮名文字の手紙も書けるようになった。遺書の母への部分が、子供に話すような平易な文章なのはそのためだ。

まあハリウッドなどと贅沢は言わんよ。角田房子女史の阿南、本間、今村の三部作、NHKでやってくれ。高い受信料払ってんだ。一つくらいわがまま聞いてくれてもいいだろ。絶対当たるって。