歴代陸軍大将全覧

このシリーズは、以前に明治編を立ち読みし、あまり目新しいところがなかったので、そのままにしていたが、アマゾンからのメールで、大正編、昭和編（支那事変まで）、昭和編（太平洋戦争期）と出て完結したことを知った。そこで早速本屋にいって、立ち読み。いや途中までは買う気でいたのだが、やはり結局目新しいところが無く、本棚に置いてきた。巻末のおまけで、大将になれなかった人々みたいなのがあり、その中で本間雅晴将軍の前妻の不貞の相手の一人が永井荷風だったという話を半藤さんがしていた。実はこれが一番ショックだった。この話は以前にどこかで読んでいたかも知れないが、とにかくさっきまでは完全に忘れていたので、妙に生々しく嫌な気分になった。本間さんがイギリス駐在中に、田村怡与造の娘だったこの妻が家を出た話を聞き、投身自殺をしようとして今村均に抱き留められたことは、何度か書いたことがある。ちなみに中学時代の永井荷風の長髪をバリカンで刈ったのは寺内寿一。本間さんがフィリピンを攻めた時の上官も寺内。ぼんぼんとして最後まで好きにやって、結局責任らしい責任を取らずに死んだ寺内。そしてやっぱり自分の道を歩んだ永井。彼らと比べると本間さんは、どうも不本意な人生だったようで、どうにも気の毒だ。

歴代陸軍大将全覧 昭和篇/満州事変・支那事変期 (中公新書ラクレ)

歴代陸軍大将全覧 昭和篇/太平洋戦争期 (中公新書ラクレ)