永遠に来ない1ヶ月後

初七日も終え、喪服をクリーニングに出そうかと思っていたら、会社関係に不幸があり、本日もお葬式だ。
私は孤独の相があるらしいが、本当にこれでこの世に一親等が一人もいなくなった。地球ひとりぼっちである。
あれは11月21日、3連休の初日だった。いつものように母を点滴に連れて行った。その日は点滴も調子よく入り、母も少し元気そうだった。私もこの連休、1日くらいは母を置いて出かけられるだろうかなどと、浮かれていた。その甘い心が見透かされたのだろう。帰りの車に乗るときに、母はスコーンと真後ろに転んで、病院前のたたきで頭を打った。それぐらい四肢に力が入らなくなっていた。ものを食べられなくなって3ヶ月近いのだから当たり前だが。そのとき、当然後ろで補助をしておくべき自分は、とっとと逆側のドアに回っていた。最後まで当事者意識に欠け、人任せだった自分を象徴する出来事だった。頭を打ってから6時間から2,3日は注意が必要ということで、2日間は生きた心地がしなかった。幸い3日経っても何事も起こらなかった。1ヶ月以上してから症状が出る場合もあると書いてあったが、その1ヶ月後はもう永遠に来ない。
しかし、「延命処置は不要」、「家で死にたい」という意志を最後まで貫き、実現させた母は偉かったと思う。お医者さんもお寺さんも、今時珍しいことだと言っておられた。勿論それは多くの人々の支えがあったから出来たことだ。お医者さん、看護師さん、本当に素晴らしい人々に巡り会えたと思う。感謝しています。またネット上で私を励ましてくださった方々も、ありがとうございました。