戦前の軍事評論家

グリフォンさんが司馬遼太郎氏の次のような言葉を紹介してくれている。

「私の生きたあの時代、同じように軍事評論家が存在し、在野の立場から冷静に日米の軍事力を計数的に比較し、それが世間の話題になっていたら、彼我の差をだれもが認識し、あのような戦争は無かったろう。軍事評論家の存在こそ、民主主義の証なのだ」

2009-10-14
さて、戦前に軍事評論家はいなかっただろうか?水野広徳は評論家というより思想家か?しかし松下芳男氏などは、今の基準なら軍事評論家といえるのではないかな。氏は仙幼から陸士25期だが、中尉の時に、反軍思想の持ち主ということで停職となった。大杉栄とも仲が良かったらしいが、一方で同期の田中新一とは終生変わらぬ付き合いだった。また松下氏自身は、河野恒吉少将のことを軍事評論家と呼んでいる。河野は騎兵聯隊長のときに、勅諭が長いからと端折ったせいで退職させられたという噂があるらしい。