転進

昨日朝起きてテレビをつけたらNHKガダルカナルをやっていた。「転進」。いってみれば母の場合もそう。肺がんが食道のリンパ節に転移したため、タルセバの服用を中止した。今は10月から始まる放射線照射を待つ身。食べ物は勿論飲み物すらそのまま戻ってくるような状態。私のほうもストレスで体が弱っていたのか、人間ドックで飲んだバリウムで、全身に発疹が出るなど体ぼろぼろ。俺は山中鹿之助ちゃうぞ、もう充分やと天に叫んでもどうにもならない。先の5連休は実に陰惨だった。
しかし、親戚が泊り込みで手伝いに来てくれたり、近くの内科で毎日点滴を受けるようになったり、初めて麻酔科で処方された痛み止め(パッチと坐薬)が多少効いたりと、本質的には何も好転はしていないけど、それでも気分が少しましになった。「もう間に合わへんわ」と捨て鉢になってた放射線照射の開始も早まった。本人も少し前向きになって、やってみると言っている。介護保険の申請や訪問介護も現実のものとなってきたが、これもいろいろ相談に乗ってくれる人がいる。一応自分でも勉強しようと、今日図書館で本を借りてきたが。とにかく下記の記事にもあるように、色んな人に助けてもらいながら、なんとかやっていこうと決心した。

働き盛りが老親を、お年寄りが配偶者をひとりで介護するのは、もはや珍しい光景ではなくなった。
厚生労働省の07年の国民生活基礎調査によると、介護保険で「要支援」「要介護」と認定された人がいる世帯のうち、夫婦のみ、夫婦と未婚の子、ひとり親と未婚の子だけという核家族世帯が32・7%と最も多い。
ひとり介護は過酷で、孤立しやすい。居宅介護支援事業所などを運営する「ライフサポートてくてく」(愛知県岡崎市)社長の宮田ともえさん(58)は、身も心も疲れないように60%程度の力で介護し、残り40%は「他の力」に委ねてみようと提案する。
負担軽減法の一つは福祉用具を充実させること。介護保険でベッドや車いすが1割負担でレンタルができる。
こだわって欲しいのはトイレだという。トイレは介護保険で他の用具と合算で年間10万円を上限に、1割負担で購入できる。軽く低いポータブルトイレは転倒し、寝たきりにつながる危険もある。
介護度を悪化させないためにも、ケアマネジャーに相談し体の状態に合って機能が充実した福祉用具を選びたい。
介護される側も、できることは自分で。たとえば、起きるのがつらい夜中のトイレ。ひとり介護では交代で世話ができない。トイレまで歩くことができなくても、手を動かせるなら、尿器を使って自分で用を足してもらおう。これで夜中の1回分の介護を減らせる。
介護には、なにかと金がかかる。自分と、介護している人だけの暮らしだと介護費用と生活費の両方が肩にのしかかる。宮田さんは「介護に加わらずに口ばっかり出す人が介護している人にとってはストレスになる。遠方に住み親の介護を他のきょうだいがしている場合は、口は出さず経済的な援助の手をさしのべて欲しい」と話す。
いずれ、来るかもしれないひとり介護の日。宮田さんは、自由に動けるうちに各地で聞かれている介護教室に行き、早めに知識を蓄え準備しておくことを提案する。「身内や自身の介護予防のためにもいいですよ」

朝日新聞9月27日朝刊生活面