アンジェイ・ワイダ(Andrzej Wajda)さん(81)

本日BSでアンジェイ・ワイダ監督の番組が放送された。昼の番組だったので、録画しただけで勿論まだ見ていない。とりあえず手元に去年の10月の朝日新聞『ひと』欄の切抜きがあるので、再録しておく*1

ひとりずつ殺害され、穴に投げ込まれた死体。ブルドーザーが土をかぶせ、歴史を闇に葬り去っていく。第2次世界大戦中、ボーーランド人将校ら2万人以上がソ連によって虐殺された「カチンの森事件」に、ポーランドの巨匠が挑んだ。
灰とダイヤモンド」など数々の名作映画を世に送り出し、アカデミー名誉賞も受賞した社会派だ。これまでは「他人の人生を描くのが映画監督の役目」と、主に文学作品を題材にしてきた。その信念を変え、初めて自分の人生の、しかも最もつらい部分と向き合った。
映画「カチン」はソ連ナチス・ドイツに翻弄されたポーランドの悲劇を描いた。戦後も89年までの共産主義時代はソ連の主張で、ナチスの仕業だと信じなければならなかった。教科書も公文書も「カチンのうそ」に塗り固められた。
事件の犠牲者となった父の生存を信じ、死ぬまで帰りを待ち続けた母。記憶を作品化するにあたり、シナリオ作りに心を砕いた。殺害された兵士や家族らの日記を読み、当時の情景を忠実に再現。事件に翻弄された家族の姿を克明に描き、うそのベールをはがした。
「事実を伝えられるのは私の世代までかも。父母も評価してくれるだろう」
ナチス・ドイツ占頷下時代に聞かれた日本美術展に感銘。芸術の世界へ向かうきっかけとなった。スケッチの腕は個展を聞くほどだ。人間の無残さを描いた今作品でも、絵コンテの美しさは際だつ。

ところで日本で日本語字幕で見る手段は!?国営放送何とかしる!

*1:もう一個のブログで一度軽く触れた