命綱 拒めぬセクハラ

朝日新聞朝刊の社会面で「『格差』の国から」という連載が組まれている。5月2日の第4回は、羽曳野で、生活保護を申請したところ、窓口の職員から執拗なセクハラを受けた人の話。以下犯罪の概要。

05年5月に市役所で申請した6日後、体調が悪く寝ているとベルが突然鳴った。担当の男性職員(30)。書類の問い合わせかと思ったら、思わぬ言葉が飛んできた。「胸、大きいよな。90(センチ)はあるで」
それから1時間。しきりに知り合いの男性と性的関係を持つことを勧められた。電話を切ると両足が震えだした。
4日後。役所の相談室からかけてきた。「元気になって、仕事も行って、自立できるようにするのが僕らの仕事。それには男の人が必要やって」
今度は70分耐えた。
生活保護は「最後の命綱」。盾突いて申請が通らなければ生活できない。「好きな人がいる」とうそをついて断ろうともしたが、「その人に支援してもらえ」とはねられそうで言えなかった。受話器をたたきつけたい衝動をこらえ、「私も年やし」とはぐらかす自分が情けなくなった。

申請から2週間後、月6万6千円の受給が決まった。直後の電話に「公務員なのに守秘義務を守ってない」と勇気を出して言うと、しばらく途絶えたが、半年後の4度目の電話はひどくなっていた。
「こんど夜に自宅行くわ」
言葉に危険を感じ、悩んだ末に弁護士へ。06年3月、羽曳野市と職員を相手に損害賠償を求める民事訴訟を大阪地裁堺支部に起こした。

で、市は「そんな電話はしていない」という職員のいうことを「百%信頼」し、提出されたテープレコーダーに対しても「聞けば別人と一目瞭然だ」と突っぱねた。

声紋鑑定で職員の声と断定されたのは、提訴の10カ月後。07年10月、「立場を利用して悪質だ」として110万円の損害賠償が認められた。
職員は懲戒免職されたが、最後まで否認し続けた。女性の賠償金は訴訟費用などが引かれ、手元に残ったのはレコーダー一つ。

タイプしてるだけでむかついてくる。余罪はないのか?