日本のいちばん長い日

昨日になるが、録画していた『日本のいちばん長い日』を見た。2時間半だが最後までだれることなく素晴らしいと思った。ご遺族からすればまた別の感慨もあるだろうけど、私は椎崎畑中コンビの演技は良かったと思う。特に最後の馬とサイドカーで駆けるシーン。さすがに天本英世の佐々木大尉はやりすぎちゃうかと思ったけど。

さてそういうわけで寝る前に飯尾憲士氏の『自決』を読み直したわけなのだけど、その中でこれまであまり気に留めていなかった一節があった。若林少尉の本にも出てきた益田中佐は、航空士官学校の教官だったため、『自決』にも登場するのだが、彼が熱心に信奉していた法華宗派は、平泉学派と激しく対立していたのだとか。平泉学派と言えば、竹下正彦中佐井田正孝中佐も、椎崎中佐、畑中少佐もそうだった。

ところで飯尾氏は、森師団長殺害の場面の黒田大尉(上原大尉と窪田少佐のミックス)なる人物の狂態について

畑中少佐に扮した中年の俳優が構えた拳銃が火を吐き、上原大尉に扮した若い俳優が軍刀を抜きはなって斬りかかる。頬骨の張った陰険なメイキャップに私は眉をひそめたが、キャッ!とか、ギャッ!とかヒステリックな叫びをあげて斬りかかった演技をみて、私のほうが悲鳴をあげそうになったのである。上原重太郎とは似もつかぬ暴れかたであった。

としきりに嘆いておられるが、黒沢年男はまだこのとき全然若手だろうし、年だけなら風車の弥七の方が上なんじゃないかと思う。まあどうでもいいこっちゃけど。