昭和の反乱

石橋恒喜『昭和の反乱 三月クーデターから二・二六事件まで』上下 高木書店
著者は東京日日新聞の記者で、平野零児の後を襲って陸軍担当となった。立場的には青年将校に近く、特に二・二六事件の蹶起将校たちより一段上の山口一太郎柴有時と親しかった。定番の本なのだろうが、恥ずかしながら私は今年に入ってから入手した。陸軍造兵廠長官植村東彦中将の逮捕というのが、二・二六事件後に逮捕された山口一太郎の告発に端を発したというのは、この本で知った。この事件は、先の防衛事務次官の件と同じく妻まで関与した汚職だったそうだ。