服部の吉田茂暗殺計画、辻が止める?

まずは近況をば。今月は全然書いてませんが、一応新プロジェクトを進めてまして、そっちにかかりっきりとなってます。来月には何とか目途をたてられそうです。

で、読売のWEBから2題。
旧日本軍将校ら、吉田首相暗殺を計画…CIA文書

旧日本軍の参謀本部作戦課長を務め、戦後は連合国軍総司令部(GHQ)の秘密工作に関与した服部卓四郎氏らが1952年7月、当時の吉田茂首相の暗殺を企てていたとする報告が解禁された米中央情報局(CIA)の文書から見つかった。

 同年10月31日付のCIA文書によると、服部氏ら旧日本軍将校を中心とする6人のグループは、吉田首相が公職から追放された者や国家主義者に敵対的だとして不満を募らせ、暗殺によって首相を鳩山一郎氏にすげ替える計画を立てた。

 しかし、戦時中からの盟友で、グループの表向きの代表になっていた元陸軍参謀の辻政信氏が「クーデターを起こす時ではない」「敵は保守の吉田ではなく、社会党」と説得し、思いとどまらせたという。

 CIA文書には、計画の具体的な内容は記されていない。

 一方、同年に衆議院議員に当選した辻氏は61年、ラオスで消息を絶つが、CIA文書は北ベトナムからラオスを経て中国に入り、63年、共産党当局に拘束された可能性を指摘している。中国で処刑されたとする未確認情報もあるという。


児玉氏・辻氏は使えず…米反共工作でCIA分析

 米国の情報機関が東西冷戦初期、日本の戦犯容疑者や右翼を使って進めようとした反共工作や情報収集について、米中央情報局(CIA)が役に立たないケースが多かったと分析していたことがわかった。

 AP通信が24日、米国立公文書館で2005〜06年に解禁されたCIAの極秘文書をもとに伝えた。

 それによると、CIAなどの米国の情報機関は第2次世界大戦後、右翼の大物で後にロッキード事件の被告になった児玉誉士夫氏や戦犯容疑を免れた元陸軍参謀の辻政信氏らに接近した。

 しかし、CIAの文書は「彼らは自らの威信や利益のために情報をたびたび捏造(ねつぞう)した」「日本の戦後は、驚くべき数の、役立たずの情報提供者を生み出した」と指摘。工作資金を持ち逃げされたり、同じ情報が米国の複数の機関に売られたりした例もあったという。

 児玉氏の反共工作への関与の程度は不明だが、CIAは1953年の文書で、「情報要員としての価値は無きに等しい。彼はプロのうそつき、ギャング、ペテン師、大泥棒だ。もうけることにしか関心がない」と酷評。辻氏については、連合国軍総司令部(GHQ)の情報部門が対中工作を指揮させようとしたものの、逆に日本の再軍備のために米国を利用しようとしたと分析し、「第3次世界大戦さえ起こしかねない男」(54年の文書)と警告した。


二・二六事件から71年目の今日、こんなことを書くのは不謹慎ですが、辻氏幻想の高まる記事ですなあ。そういえば最近読んだ大野芳『革命』でも、辻は川南豊作からクーデター計画を打ち明けられているんですよ。結局その後ラオスへ旅立ち消息を絶つんですが。
それにしても吉田が服部グループを嫌い、再軍備に際して彼等をパージし辰巳栄一を起用したのは夙に知られる話ですが、ここまで深刻な対立があったとは。堀場西浦は知ってたんだろうか?気になる。


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