べんてんさん大古本市

四天王寺の古本祭りに行ってまいりました。


クライマーズ・ハイ見ながら、戦果を報告します。


松井忠雄『内蒙三国志
これは何度か図書館で借りたことのある本ですし、現代史資料の日中戦争篇にもこの本の半分くらいの内容は収録されています。しかし何と言っても綏遠事件の内幕について最も詳しい本の一つで、見つけ次第確保と決めてたので、迷わずゲット。

犬養 健『揚子江は今も流れている』
これは有名な本でしょうが、私は恥ずかしながらこのたび初めて読みます。著者は五・一五で遭難した犬養毅の三男。松本重治なんかと立場や思想は似てるんでしょうが、この人の場合、実際に梅工作に関わってます。今読んでる本が終わったら、ゆっくり読みます。ちなみに今読んでいるのは、棚橋信元『神がかり参謀』。これは面白い本なので、また稿を改めて書きます。

『別冊丸 秘録人物・太平洋戦争』
私この手の本はあまり読まないんですが、巻頭特集の田中新一秘蔵の写真というのが綺麗だったので思わず買っちゃいました。

中所 豊『日本軍閥秘史 裁かれる日まで』
これは失敗。田中隆吉岩淵辰雄の本を掛け合わせたようなパチモン臭漂う題名に嫌な予感はしていたんだが。著者は新聞記者。要するに戦後雨後の筍の如く出た軍担当記者による暴露モノ(有名なところでは『旋風二十年』)の一つなんだろうけど、酷い内容。記者の書く暴露モノというのは、下世話な内容も多く、文章もうまいので、確かに面白いんだけど、結局彼らの人物判定基準というのは、自分と仲が良かったかどうかだけ。良かった人間は持ち上げるが、悪かった人間はクソミソ。この本は特にそれが酷い。明らかに事実と違う点も散見するが、いまどきこんな本読む物好きは、私以外いないだろうから、いちいち指摘はしない。ちなみに著者によると陸軍の二大良心は石原莞爾辻政信らしいwwwまあそれでも多少は目新しい情報もあるんだけど(菅波一郎の停職理由が女問題とか)、外が酷すぎるので信用して良いのかどうか。しかし異常にアメリカやGHQを持ち上げるなと思って奥付を見たら、中華民国三十七年三月初版、版元は中華国際新聞社。アゴアシ付きかよ。

十全会『軍神若林中隊長追悼録 後に続くものを信ず』
これは迷った。ナイロンがついていて中が確認できなかったので。しかしまあまあの当りのようだ。観測通り、若林の陣中日記が収録されていた。


私は基本的にはネットで買います、古書は特に。しかし実際に見てまわるのも良いですよね。思わぬ発見がある。散財もしてしまいますが。特に古い本には弱い。”この人、こんな本出してたのか”とついつい買ってしまう。今回も桜井徳太郎が中佐の時に書いた本とか、買おうか迷いました(結局止めましたが)。


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